闘病記

心筋梗塞になって入院してからの病院関連の記録日記。そんな闘ってません。

入院日記26

入院49日。

ついに退院の1日前。

今日1日はそれがテーマだったかのような日でしたね。

「おれ本当に明日退院できるの?」


今日の予定もノホホンとしたもんで、今後通院で担当になる、元担当医の外来にいってくるということ。担当医の外来は月曜の午後しかないんですね。ということはつまりこれからも月曜の午後になるという。まあ、2ヶ月に1回くらい店の仕事をちょっとさぼってここいらまでクルマでくるってのはいいかなーって判断もあったのでした。ま、あと、元担当医好きだし。今の担当医も主治医も好きだけど。おれはまだいまのところEDだからもうそういうのなんでもいいんだ。


と、ま、動作の切り替えで立ちくらみがあるんだけどそれくらいなんで、今日は、とりあえず、やり残していることをいろいろとするかなーって思った。


今日の担当看護師はおれのお気に入りのおっぱいの大きな子。

今日の外来の予定を確認し、ほかにないことも確認してから、今日は立ちくらみがこわいからシャワーはよしてベッドの上で身体を拭くだけにしますからあとでよろしくお願いしますと。

こころよく了承していただいたどころかすぐにおしぼりを持ってきて、「お背中だけ拭きましょうか」と。

おおありがたいと実はこれまでは辞退してたんだけどまあ最後だしと拭いてもらう。いい思い出。


あとは月曜恒例の総回診でそのときに腹の傷の抜糸をしてもらえば出かけられるなと思ったのだが、これが待てど暮らせどこない。

どうも、廊下のワックス掛けの流れかほかの理由でスルーしたか、あるいは、おれがトイレとかでいなかったとか(それはないと思うんだけどね)。


で、結局、昼ごはんまでいるという。


食べ終えて、しばらくしていたら、となりのジジイがすっかり外出着になって握手しにこられた。退院。いいなーと。


なんかあまりに状況が変わってないおれ。


入院してこの生活になれはじめたころによく叫んでたココロのスローガンというのを思い出した。


「こんなところ1秒でもはやく出て行ってやる

!」


これですね。やっぱこの気持ちでいないとダメなんだなあなんて、西側の窓が本格的に室内の温度を上げはじめている中、ぼんやりと考えていましたら、外来にいくはずの担当医がヤアヤアみたいな感じで現れる。


明日退院ですよ。

え?

土日以来脈拍が早くて大変ですよ。

え?

立ちくらみも多いです。

え?


などというと、往年のギャグ「聞いてないよ」って感じで、じゃあクスリとか調べてきますなんていなくなる。診察1分。


うにょん?なにこれ。


そして、これでノルマ達成だよなあ。じゃあ、出てみようかと思ったら、リハビリの先生が今度は現れる。


今日はもう1回歩きをみたいのでフロアを3周くらいしてみましょうって。


もしかしてテスト?と思いつ、いつもより慎重に歩くし、土日は脈が早くて大変でしたなんてことも告げる。

ほお、みたいなリアクションでした。そのまま3周くらい歩いあと。

「はい、大丈夫ですね。じゃあ明日もがんばりましょう」


え?


どうなってるの感が。で一応、明日退院なんですけどって告げるとむこうが「え?」って。そのあと「じゃあおめでとうございます」と。肩をポンポンとたたいて去っていく。


で、とどめに午後の検温に現れたお気に入りの看護師。


本当に明日退院ですか?


という質問を投げかけられました。


え?


彼女の根拠としてはなんだか明日ものすごいイベントが多いんですって。採血とって心電図はかってレントゲンとってって。

先生は何回もまちがいなく退院だよとはいってるよと伝えるもなんだか納得してないみたいで。


なんだか、わからないのに煮詰まったのと、さすがにこれでしばらくなにもないだろうと、1階の喫茶店で持ち帰りのコーヒーとホットドッグを買って、どこか外で食べようなんて壮大な計画をたてていたのを実行したのだった。本当は土日にやろうと思ってたんだけど調子が悪かったからね。


なんかこういうときのほうが「知るか!」って気持ちで動くことができる。


ホットドッグ売り切れ。しょぼーん。

しょうがないのでクロックムッシュ。あとたまにはってんでハニーバニララテってのをたのんでみる。


そして外に出てみるとこれが適当な場所がない。あと、「監視カメラ作動中」って貼り紙を目にして、おれは脱走犯?なんて気になったので戻る。

自分の階で食うのもなんだろうと思ったので最上階にいってみる。9階ね。


で、高い高いと思いながらクロックムッシュとコーヒー。

クロックムッシュは死ぬほど美味かったけど(たぶん、通院でまた食う)、コーヒーは大失敗。甘くて死ぬ。これ書いてる現在ももたれてる。


まあ、これで「やってみたい」と考えていた思い残しはないかな。


部屋にもどり、ハラもたれてるわーなんて思ってたら、担当医が現れる。


「なにが不安なん?」


え?


看護師が話したようで。

と、いろいろ話してわかったのは、おれの現在の脈早い状態はこれはこれで「あがり」なんだと。

今後はこの状態に自分がなれていえば脈の方も落ち着いていくって。


それは納得しました。すっきりしました。

で、抜糸の方は?


あーーーー!と叫ぶ担当医。


忘れてたワケじゃないけど、総回診にいなかったじゃん。

みたいなことをいわれた。

ここがよくわからないんだよなあ。


とはいえ、そのあとすぐにお気に入りの看護師と抜糸セットみたいのをもってきてハサミでチョキチョキと。

これがまた独特の感触。

自分の身体を切られているのに思ったより痛くないというか。痛いんだけどね。


これでいろいろとOKと。かなり安心して暑くてたまらないベッドの上にいると、今度は主治医と担当医で現れる。

で、まあ、またさきほどの退院はまちがいないしクスリなんかの効果はこれで大丈夫だからと念を押してくる。

主治医は去り際に耳元でささやかれましたよ。


「家族仲良くね」


そう、昨日、下のガキにこんこんと説教していたときに出くわしたのは主治医だったのですね。

このタイミングでと思いましたが、「お見苦しいところを」と謝罪したあとトホホと反省してました。


これでなにもないかと思ったら、予想外の方がいらっしゃいましたよ。

院長。

この病院の院長があいさつにこられましたよ。

オヤジのトモダチが知り合いらしくて話を通しといたからとはいってたんだ。あいつはこういうのが大好きで超重要と思ってるタイプで、実際、恩恵にもあずかってるんだけど、すっかり忘れていたよ。

で、はあはあと話をきいてペコペコしてたら、担当医がなにか聞き忘れたことがあるみたいで「あのさ、」みたいにきたところ、院長がいたので「ふあ!」ってのけぞっていた。それがすごいおもしろかった。

それをみられただけで話を通していただいてありがとうと思いましたよ。

別にそれなくてもよくしていただいたってのは変わらないでしょうしね。


で、夕食たべてこれを書いてたら、また元担当医でこれからも担当医が現れて、話をしはじめて、こうこういわれましたといったら、「あ、そう」と少し考えてから、

「でも、明日退院じゃないんでしょ?」

だって。


え?


ということでおれは明日退院できるのでしょうか。