闘病記

心筋梗塞になって入院してからの病院関連の記録日記。そんな闘ってません。

2回目手術日記

これまでのあらすじ。


ナイフ1本口にくわえて入るのも出るのも難攻不落といわれたアルカトラズから脱出を企てるもあと一歩で失敗し、生きて帰ったもののいない最下層独居房におくられたおれだったが、4月30日に心筋梗塞で救急車にて入院し、治療がはじまったものの、心臓の弁に難があるために外科手術することになり、内科より外科に移動、そして手術となり、経過は順調で、6月の18日にいったん退院するも、1週間後の外来、3分で心不全ということで再入院が決まり、さらに検査していくうちに再手術の必要があることがわかりました。

その再手術についてこれから書こうとしてます。最下層独居房ってそれでも乳房の房ってあるからいいこともありそうに思えるよね。


治した弁の違う場所から血がもれはじめたためにもう1回本格的に閉じるぞって感じになったわけです。そのためにはまた同じ手順で開けてって。

うわあと、思ってたら、今回はさらに難しいらしい。

なぜなら、1回目の手術によって組織が癒着しているので、それをうまく取り除くのが困難だそうです。そこいらの仕組みはよくわかりません。でも、時間でいえば前回の手術よりは上だそうですよ。


ということでまるでデジャヴのように、ひと月前のことがらがリプレイされていくのを不思議に眺めておりました。まちがいさがしのようにいろいろとちがいましたけどね。

たとえば、前日に話をききにいった麻酔課の先生は男性になって、なおかつ話をした部屋が2号室になっていたりとか。


当日30分前に叔父叔母があらわれ、お尻に筋肉注射をうたれ、ボンヤリしているうちに4階の手術室までベッドごと運び込まれるところまではビデオでみるかのようだったけど、今回はもうそこで記憶がないですね。

麻酔科の担当と話したのかさえ覚えてません。


で、寝ている間に、全身麻酔をかけつづけられ、人工心肺により心臓を停止させられメスで肉を切り、グラインダーで骨を開けて、癒着している心臓組織を丁寧にほぐしていき、また心臓を切り開いて弁をみてみたわけです。おれはみられたわけですが。


手術の結果、おれの弁は人工のモノと入れ替わることになりました。そうなるとどういうことかというと第一級の身体障害者になるそうですって。


当時はそういうことがわからず。麻酔中でしたが。

例によって目が覚めたら集中治療室。

今回、リハビリの先生やら、麻酔科の先生が、のぞき込んでなにかいってる。

しばらくしてオヤジが顔を出す。

当然のことながらこっちはまだなにかがノドにささっていてしゃべることはできない。

ただし、前回の手術の目覚めた後の死ぬかと思うくらいの渇水感はない。それは3回くらいいろいろなところにいったのが功を奏したのかしらと思っていたけど、もっと意外なところに理由があった。


さて、手術自体は先生のお仕事ではありまして、寝ているだけでいいんだけど、目が覚めたら今度はこっち痛みとの共存をはかるという課題がはじまるわけです。これがイヤだった。そしてこれは長いよ。

実際問題前回の「手術」による痛みが完全に緩和されてたのって再手術直前くらい、すなわち1ヶ月。ついさっき。それでまた同じ行程で痛いんだもんなあ。リセットボタンを押された心境。


これがニンゲン不思議なもんで、どんどん思い出してくるんだよ。「あーそうだった」と。

なにをするにも胸の骨のきしみがあるとかな。


今回は1日ほぼおれの担当でつきそってくれたメガネ看護師さんに最大限の感謝をしたいわ。あの子のやさしさに救われた感は半端ない。

じゃまじゃない手間かけといいますか。さすが、集中治療室のスタッフということもありますが、そういうこと抜きに非常に話がしやすかった。おれが車寅次郎だったら柴又の団子屋につれていってたところだよ。ほどよいタメ語とほどよい敬語と。相性がよかったというと単なるくぬぼれになりそうだけどさ。


ただ、彼女がいても時間のすすみが遅いのは変わらないんですけどね。


で、また、気と進行の早い担当医が、「あれはもういいや、これも点滴終わりにつき終了」みたいにテキパキと終わらせている。


そこで、50文字のひらがな表で指差しつつ、上記の手術の結果なんかを聞いたりしているのです。

そして、くわしくは忘れたけど、けっこう爆笑のなかあった人工呼吸器を抜いたときのあとの氷が死ぬほど美味かったのも覚えている。あれだけは全人類味わって欲しいね。って、水分1日ガマンのあとの仕事明けビールのほうが1000倍美味いか。


「あ、もしかして、今日が何日かわかってます?」


メガネ看護師さんが思い出したようにたずねる。

おいおい、なにいってるんだよ?と即答しようとして「わからない」。そう、わからないのです。


「やっぱりそうだったか。聞いておいてよかった」


と、そこで驚愕の事実。

「今は10時です。午前でしょうか午後でしょうか?」


え?それは当然午後じゃねえの。


実に、まだ手術から24時間経ってないんですよ。

えええええ?


本当タイムスリップの衝撃。あるいは猿の惑星で自由の女神をみつけたかのような。ダースベーダーが、、、(もういいよ)。


手術あと、おれは目が覚めて、12時間以上待ってたオヤジと話して、そのあと早朝にオヤジがガキどもをつれてきたのと会話していた時点で、2日くらい経ってるのかと思っていた。


そう、だから、渇水感がないのは前回より寝てる時間が少ないからというシンプルな理由だったのです。


このトクしたのかソンしたのかよくわからない時間泥棒の感覚は実に今もちょっとおかしかったりします。書いている今日はまる1週間目です。


で、その後も、担当医のスピードっぷりは続いて、毎日アレ抜いてこれ終わらせてやってるうち3日目で集中治療室を抜けることになりました。


あーと、今回もチンチンは洗っていただきました。やっぱりメガネ看護師さんが一番でした。本当にありがとうございました。後日お迎えに伺います。


さて、その後、金のかからない個室へと移されます。前回も今回もいい思い出はないんですが、答えは簡単です。ただ動けなくて痛くてじっとしてるだけだから個室とか関係ないからなのです。前回は運良くユニットバスに入ることができましたが、1日早く移った個室はまた1日早く出ることになります。当然、現在も風呂もシャワーもナッシングです。


ドレーンといって腹のなかの不要な液体を抜くために管をぶっ込んでるんです。3本、あるいはもっとかもしれませんけど、それの1本が左わきの下にささってます。これが今回、針でついたような新しい痛みを提供してくれてます。相変わらず、どうしたんだ?ってくらいせき込んでは胸の骨をきしませて痰が出て、それも無色透明のねばりけのある唾液みたいなのばかり延々と。ティッシュペーパーは1日で1箱つかって、病院にティッシュを「借金(借箱)」してまで使ってました。ま、最終的にトイレットペーパーをかっぱらってつかったりしましたが、1日で誇張抜きで、枕の綿になるくらいティッシュ使ってます。絶倫痰王です。

もちろん、せき込むたび、痰を出すたび、傷が響きますし、それでへんな体勢になると、ドレーンの痛いのが襲いかかるって寸法でさあ。手術っていたいよなあ。小さいときから心臓悪いコとか心底すげえと思うよ。


痰は現在相当小康状態です。

そして、最後のドレーンも手術より1週間後の今朝に抜けました。現在は点滴1本だけがおれを縛り付けております。ま、あと、痛みと。


この3日は暑くて、眠るに困り眠剤を飲んでおります。


今夜ももらったけどどうしようかしらねえと思ってます。

なんだか、「眠剤くれくれ」いうオッサンがどれもあさましくみっともなく映るんですよね。なんだってあんなせっつくようにもらわないとダメなのか。


3度目の正直ですが、また、移った4人部屋はおれがいたところです。4回目で、なおかつ3カ所のベッド位置を体験しております。

また窓際。また西日地獄。

早いとこ退院したい。ただし、今回は完全に体調整えないとなあ。

出戻り入院日記17

ああ、看護師のモノマネがしたい。

名物のジジイのときと比較しておれに対するときの「省電力モード」っぷりがすげえヒトがいるんだ。それがうまく演じられると思うのだけど、悪意100%で、この病院のだれにやっても絶対にウケない(あ、ウケるけど、苦笑い必至って感じか)と思うのでできない。ま、ウケないところか総スカンをくらいそうなんでできない。

またこれは嫉妬のニュアンスもあるしなあ。結局、おれは名物のジジイがうらやましいだけなのかと。

ただ、おもしろくできる気がするんだけどな。


こういうとき奥さんがいるといいなあと。

ま、ガキに披露してもいいんだけど、まだ先の話だわな。


と、そんなことを考えるくらいヒマな1日だったのでした。手術前日ですし、出戻り入院日記のとりあえずの終わりです。

明日は朝の11時から手術でしし、それが終わるとしばらく集中治療室にいてケータイ禁止状態になりますからね。


前回の手術と似たようなダンドリですすむので、それに準じるのならば、今週末くらいには集中治療室から個室に移され、ケータイもOKもなるからして、まあ、おれのモチベーションその他の問題もあるけど日記は復活するはずです。

つーか、やっと手術だよ。この1週間がとくにムダだった。


と、明日にそなえて今日は買い食いもせず、朝にドリップコーヒーを飲むくらいで、おとなしめに部屋にいました。


ああ、へその掃除とシャワーという行事がありました。

前はそんなもん絶対になかったのですが、へその掃除というのは手術前にやらなければいけないらしくて、それが終わってから、シャワーを浴びてもらいますと。

まあ、そういってまた午前中がすぎるというパターン。昨日といっしょかよ。


で、昼飯食べたらそれ。


オリーブオイルをへそにたらします。エクストラバージンとかもこみちが使っているようなやつではなくて薬用ですね。

10分経つとゴマが浮いてくるので綿棒でキレイにするという。

新人さんがギャラリーでひとり。

「全然ありませんね」と。


んまあ、こういうことやってもらうのもやるのも生まれてはじめてだけど、あまりへそのゴマって汚い記憶がないんだ。


で、シャワー。あとはなにもなし。


現在、夕食も食べ終えて、本日24時より固形物が禁止。次の日17日の8時より水分も禁止で11時から手術と。10時30分くらいかな、注射打って運ばれてって。ほんと、前回がグランドリハーサルという感じで。かつてしったる段取りで。


寝る前に下剤といっしょに睡眠薬を飲むという、例によってよくわからん組み合わせもある。寝かせたいのかウンコさせたいのか。ま、下剤はあとから効くから次の日の朝に出せよってことだな。


そういうことで、おれ自身ががんばるのは手術あとなんだけど、がんばります。おれの心臓もいい具合にがんばれよ。


死ぬか生きるかって手術ではないけど、実は、人生が変わる可能性のある手術です。ま、そんなこといえばみんなそうなんだけどさ。


どうせだから「いいほう」に。なにをもって「いい」とするのかも難しい問題ですが。

応援してくださいね。2回目でもうしわけないけど。

出戻り入院日記17

手術2日前で日曜日。

今日はむかいのおっさんがなんだか様態急変みたいで、まったくそのとばっちりをくらうの巻でした。


朝から看護師がどたばたしてる。それで起こされる。5時台。むこうのついでに血圧測らせてとか。


でもって、そのままなにがどうなのかしらんけど9時台に看護師交代になってもドタバタしてる。どうドタバタしてるのかというと、おれ、今日の担当看護師が誰かわかったの午後からだし。それまで超放置状態。


一応、前日、シャワーの手配しておきますってダンドリだったんだけど、いっそ気持ちいいくらいふっとんだ。

と、待っててもダメだと思ったので、自棄ドトールといったのだった。

ヨーグルンとサルサドッグいってやる。昼食1時間前だったけどさ。


これがうまかった。これで手術に思い残すことはなくなった。


そして、昼ご飯もちゃんと食う。体重が問題だけど、今朝も1キロ減ってたしいいだろ。


と、昼ご飯の手前に、猫バスと市川実和子氏に似た担当看護師があやまりにくる。「シャワーの予定とばしましたよね」って。

いやまあなれっこだし、向かいのおっさん(どこかで緊急治療してベッドごといない)が大変だったからいいですよと。

実際、おれ、今日、シャワーに入りたいって全然思ってなくて、昨日の看護師がどうぞどうぞ的にダンドリしていたのです。


午後、すぐに入れるようにしますのでといなくなり、昼食。


さすがに腹いっぱいになってしばらく横になってると、ちょっと寝る。それをたたき起こされる。あ、シャワーかなと思ったら吸引お願いしますと。


んん?シャワーどうなったのでしょう?とその看護師(猫バスじゃない)にたずねたところ「あっ!」って顔をされてました。で、猫バスさんがやってきて点滴をはずしはじめる。ドタバタしてんな。そしてワリ食ってるなおれ。

吸引のちにシャワー。

ここ3回くらいシャワーがあわただしい。


そのあとはエアコンが動いては布団かぶったりタオルケットで温度調整しつつもベッドでゴロゴロしておりました。

Youtubeのザッピングしてました。楽しかったです。


手術まで1日。手術自体もそうだけど、そのあともつつがなくすぎますように。スムーズに退院したいからこその延長入院なんだからよ。スムーズに退院できますように。


そして明日はなにをやって過ごせばいいの?

出戻り入院日記16

「今日は今までで1番悪い日」とは同室の名物ジジイの言ではありますが、おれにはそんなことなはい穏やかすぎる土曜日でした。世間は3連休なのですね。


今日から本格的に吸入がはじまりました。これまでのはなんかのまちがいだったそうです。どおりで1日2回のはずが1回だったり、同室のおっさんと流れでやれば自然なのに、別スジからまわってきたりとみょうに不細工な系統になっていたわけだわ。

吸入ってのは、お祭りで昔売っていた小鳥のような鳴き声がでる笛のようなものにクスリがはいっていて、それを原動機みたいなポンプから空気を押し出すことで霧状になりのどに飲み込むというモノですね。

だいたい10分くらい。ノドや風邪気味だとむせて大変。今日あたりはおれはずいぶんといい感じになっていたので全然むせることはありませんでした。


この吸入やるとき、たいてい看護師が「吸入いいですかー?」なんてカートの上に機械を押したのをゴロゴロ押しながらやってくる。


そのときにいつもいいたくて、でもいうと確実にダメなコトバをここに書く。ダメでも看護師にいった方が効果はあるんだけどなかなか。


「吸入いいですかー?」

「まずキミの唇を吸入して、その次だったらいいよ」


ほら、ダメだろ。さすがにダメだろ。おれがGacktでもダメだろ。


ま、ここで書いたからいいや。気が済んだ。あと、正直唇吸いたいヒトはこの吸入をまわす係にはいないし。オトコもいるし、今日はオトコだったし。


ああ、ちなみに、上記の名物ジジイが今日がサイアクの日だったゆえんは、昨日、テレビカードをてめえのミスでへんなところに差し込んでテレビをみられなくしており、不機嫌だったところにくわえて、今日、チンチンの洗浄にきた看護師に八つ当たりしたためにそのまま自家再生産的に怒りのボルテージがあがったからですね。

「毎日毎日洗いにきやがって、おれのは見せ物じゃねえ」って啖呵をきっておりました。勇ましい話ですね。

とはいえ、そのあと、ジジイハマってる看護師に泣き言をいうんだ。このマッチポンプぶりに気がついてないんだよな。幸せだよな。


と、あと、向かいのおっさんの奥さんもきて、この奥さんの大阪弁のマシンガントークもうっとおしいんだけどなあと思ってたら、上のガキがくる。


火曜日の手術に必要なセットを持ってくる。

今日も学校でなにやらイベントチックなモノがあるそうで。


じゃあってんで、1階のドトールコーヒーでヨーグルンでも食べようかって降りる。

ところが、ヨーグルンは9時からなんだよね。8時45分ほどで、待つか?と提案したら、ガキが9時はいかないとダメだと。

しょうがないんで2階売店でアイスを買う。おれはパリッテの期間限定の白いの。ガキはアイスボックス。あと、ジュースやら大福やらも買わされる。でも、ヨーグルン2つよりは安くあがる。

しかし、上とはこの入院でよくしゃべるようになった。逆に下は疎遠に。まあ、しょうがないところもあるんだけどね。


そして本格的にやることがない。

せっかく治りつつあるんで体調を大事にゴロゴロ過ごした。最近、点滴の輸液ポンプのバッテリーが切れかかって焦る。


平和な1日ではありました。

明日はヨーグルンいこう。あるいはサルサドッグいこう。9時以降にいこう。

出戻り入院日記15

考えてみるに月曜日が祝日なのでもう今日しかいろいろなことをする時間がなかったんですね。それをおれだけじゃなくて看護師もすっかり忘れていたみたいでドタバタしていたのでした。


それはそれとしてゲホゲホと咳込んで痰が出て鼻水が止まらないのですね。

トイレットペーパーを1ロールかっぱらったんだけど、もう半分以上つかえちゃったな。


で、昨日シャツを着させてもらったのも効果があって寝汗でぐっしょりではあったな。

だから、今日はシャワーを浴びたかったんだよな。


と、最近は、シャワー近辺にドタバタとしたことが起こる。

看護師に予約をとっていただいて、入ってあがったら、看護師が走ってきて、「麻酔課にいってください」と。上記のように、麻酔課の話を聞くのはもうこのタイミングが最後だったんですね。月曜が祝日で火曜日が本番ですから。


どうせ2階にいくんだからいろいろとお楽しみって考える余裕もなくそのままいく。

まあ、1ヶ月前にきいた話ですよ。うーむ。


リハビリの先生もいらっしゃる。これまた手術前最後になるんだよな。

で、フロアを2周歩く。たんたんと歩く。今回、まったく体力的な心配はない。昨日よりは咳も少ないしな。


すると、同じフロアの別の部署の部屋のネームに知った名前が。

前の入院時によう話してたジジイだ。珍しい名字なので間違いようがない。


あとでヒマをみてちらりとのぞいてみるとビンゴでした。

身体がかゆいので、主治医に相談したら一応入院になってしまったそうだ。で、主治医自体はそっちの部署なので入院は別になったと。

おれも本当はそうなんだよな。だから、今度入院って事態になったらそっちだと思うのだけどね。ま、入院したくねえけど。


そのあと、風邪ってことで、採血とレントゲンが追加であったので、レントゲンのときに帰りに売店でセブンティーンアイスを買ったのでした。

スペシャルセレクションって150円のシリーズのベルジャンショコラをいってやった。ベルギーチョコ使用ですぜ。

これが甘くてうまい。おお、この容赦ないチョコレートの甘さは久しぶりなのでとってもうれしい。身体が喜んどるわ。

今にして思えば、これが風邪に1番効いてるんじゃないか?


と、不思議なことにヒマを持て余して起きてるとなんてことはないんだけど、「よっしゃねよう」と思うと看護師が起こしにくるワナ。これってどういう現象なんだろう。もちろん、それぞれ用があるんだけど、ひとつは「もうすぐ夕食ですよ」ってのがあってな。なんだよ、もうすぐ夕食って。そういうことで起こすなよ。


ちょっと手術近くなってナーバス。


同室の名物ジジイは終日おとなしいかと思うと、「ハマってる看護師」と40分くらい話していた。この看護師はおれには全然ハマってない。おれは彼女と雑談したことねえぞ。


土日月はだらだらしてよう。こんどこそなにもねえだろうし。


セブンティーンアイスのスペシャルセレクションのもうひとつと、ドトールのヨーグルンのマンゴー&パッションとサルサドッグを3日のあいだに食べよう。

そして風邪を治そうそうしよう。

そして手術に向かおうそうしよう。

そしてさくりと退院しようそうしよう。

出戻り入院日記14

終日げほげほとせき込んでおりそれがとにもかくにもすべてですよ。一昨日までは空咳だったのに昨日あたりからは無色の痰がまざるようになりティッシュがドーンと減るようになってきたのでトイレから残り少な目のペーパーをもらってきてそれで痰をとっている感じ。

くわえて、昼過ぎからは鼻水にくしゃみもまじるようになってきている。こりゃあ素人診断によると風邪ってやつじゃないかい?

と、朝方、先生にもう咳止めをくださいといって昼前に1錠きたのを飲むもなんだろうか。効いているような効いてないような。

これで手術が延期なんてことになると笑い話にならないのでちょっと真剣に治さなきゃならないなあ。


そもそも。こんな終日エアコンのあるところにいる生活は、会社員時代ぶり?と思ったけど、ちがうよ、未曾有の体験なんだよな。会社員時代は扇風機しかないところに帰っていたし。

助手と呼ばれるおばはんの、「今日は暑いわねえ」って世間話を「どこが?」なんて思いながらガタガタふるえつつゴホゴホせき込んでいたのです。


ということで、今、病室で1番うるさいのはおれになってしまいましたね。面目ない話です。名物のジジイは今日あたりはすごく静かだったからな。


そろそろ手術が近づいたからか、「吸入」ってのがはじまりましたし、リハビリの先生がまた復活したりしてます。うーん、歴史は繰り返してるね。


朝にメールで今日は中学校休んだというガキ。なんのつもりか知らんけど。

結局両方の懇談会にいけてないんだよなあ。

本当なんたることよ。


こうやってみてると入院した患者はたいてい急に入院してると、思ったより長くて聞いてないよ状態だし、それぞれに事情がうかがえるので、おれが1番大変なんてことはいいませんがね。

それでも「なにやってるんだろう」とは延々と考え続けますね。ムダな時間ではありますが、そんなこというと、今、ここにいる時間すべてがそうともいえますし。


夕方に上のガキにきてもらう。「ビブリオ古書堂」の3巻とロッテリアで、絶妙ハンバーガーと骨無しデカチキンを買ってきてもらう。両方ふた口分くらい味見。デカチキンがとくにしみる。こういうジャンクなものが食べたかった。とくにケンタッキー・フライド・チキンの食べ放題にいってなかったってのがあったから。

と、今日は意外に食べまくりの1日でヤバイ。とはいえ、ちょっと栄養もとっておかないと風邪にも咳にもまずいですしね。

出戻り入院日記13

いろいろあったぜ水曜日。


今日は、おれのお気に入りのおっぱいの大きい看護師さんが大活躍よ。あんまりおっぱいおっぱいいうの悪いと思うくらいさ。


昨日、思ったけど、この子、気に入ってるわりには全然素性とか知らないんだよな。看護師さんと雑談だの普通の話だのしてると、自然とお互いの住んでいるところか身の上みたいのがわかってくるけど、彼女の場合、自身のことを話さないんだよな。

でもって、富山弁じゃない。関東なまりだよな。だけど出身がどこかわからない。つまり謎多き女性なんだよ。おっぱいは大きいそして身体は小さい(中3の下のガキより身長が小さい)。なおかつ「めしばな刑事タチバナ」のヒロインに似ているとこれくらいかな。

ま、聞けば一発なんだけど、そこいら、おれの奥さんにもあった「よけいなこと詮索するな」オーラが漂ってるんだよな。


彼女が今日の担当。

昨日から点滴をつけていて、今日、シャワーを浴びるけど、どうしたもんじゃ?と相談したら、私がダンドリしますよとたのもしい返事。だから、予約をとりにいったのです。10:00から。

おれのもくろみとしては、だいたい10:00からはじまる回診が終わった瞬間に看護師さんに点滴はずしてもらってシャワーという感じで。


今日、ナースコールの取り替え工事があってナースコールが使えない午前中だったんですよね。それでずっと混乱気味だったのです。回診が10:00前だった。しかも、おれのところ20秒。担当医が「どう?大丈夫」で終わるという。


まあ、好都合だよな。


ということで、あとは看護師ちゃんを待つのみですよ。

これがこないってのはお約束です。


そうこうしてるうちに10:00はまわり、15分過ぎたくらいで、「あ、こりゃダメだ」と時間を30分ずらした。


実は、女性患者の日は混雑してるけど、オトコは意外にシャワーを入らないから時間に余裕はあるんだいつも。


そうして戻ってくると看護師ちゃんが息を切らせながら、すみません、遅くなりましてなんてあわてつつも、もうシャワーに入る時間がないですねどうしましょう?なんていっておりましたので、30分ずらしたよっていうと、ココロの底からホッとされててそれがまたかわいいお顔だったのでラッキーと。


と、それで風呂にいくべえと、なると、おれに来客。

昨日、オヤジからメールで弟が見舞いにくると。

賢明な読者諸君におかれましては入院してがっきり3ヶ月経って見舞いってことからも、兄弟の絆の深さが伺えると思われますが、実は3週ほどまえからケアホームにいる祖母が入院してるんですよね。毎年恒例のメシがノドを通らなくなる病。これのついでなんですね。

で、そんなだからあまり会いたくもないし話したくもないんだけど、まあ、東京からきてるってのは事実だし、「顔も見たくない帰って!」ってのもなんだから、「風呂があるから」って理由で15分だけ休憩室で話す。

これが看護師ちゃんのファインプレイよ。彼女がいいタイミングで遅れたので、弟を待たすことなく、しかも、長く話すこともなく、うまくやっつけることができた。


いろいろな意味でさっぱりしたあと、工事現場と化してどたばたしてる病室の廊下を歩いては新聞を読みにいったり、ゴロゴロしてすごしております。


午後に事件は起こるわけよ。


今日は18時に身内に来週やる手術の話って以外やることもないし、売店いったりコーヒーショップいくこともねえなあと。

朝、ドリップコーヒー飲んだから、飲み物部門もないし、ちょっと腹がもたれ気味。あと、せき込みも終わらないしなあ。


と、この部屋の患者担当してる看護師ちゃんが、部屋のボスキャラと車椅子でどこかにいく。検査かなにか。

小1時間で帰ってくると、あきらかに険悪な状態。車椅子からベッドに戻すタイミングで、またジジイのくどくどした文句がはじまる。

「どうせこのことはまた看護師とか先生にいいふらすんだろ、すきにせいよ」みたいなこというんだよ。

で、看護師ちゃんも「わたしは看護師としてダメだからそういっただけです」みたいな。

ずーっとあとからわかったんだけど、ジジイは飲水量が制限されてるのに売店でジュースを買うなんてきかなかったのがモメるもとだったみたい。

で、ジジイ逆ギレで18番「おれなんかいつ死んでもいい」攻撃みたいの。


あーあって。

これまでも「なんだこいつ」ってジジイはたくさんいたけど、こいつはほんとラスボス級だな。とにかくオトコにきびしくて、自分の話にのってくれる看護師には、べたべたと気持ち悪い話を長時間したりとかな。エラそうにしてるわりに芯がないんだよな。


彼女がかわいそうで、こいつ、なんとかギャンといわせる方法ないかなーっと思いつつも、おれは火曜日になったら手術で、この部屋ともお別れになるし、次に帰ってきて、こいつがいる可能性はすごく低いんだよな。などと考えるのでしたよ。


18時から手術の話。

意外におれも知らない話がいっぱいだった。

おれはちょちょいのちょいで終わるのかと思ったら、前より難易度が高い手術になるとかなあ。

まずいことになると身体障害者1級になるとか。


オヤジが早く終わるのか?とか、泊まらなければならないのか?とかそういうてめえの用のことばかり主治医にいってるのに閉口。


そうか、難しいのか。イヤだなあ。


と、その話はナースステーションでしたんだけど、そのときも看護師ちゃんはそばにいて、書類をもってきてくれたのでした。おれのセキを心配してくれたりな。やっぱりいい子だよなあ。


彼女はシアワセになってほしいものです。医者の火遊びとかに捕まるなよ。