闘病記

心筋梗塞になって入院してからの病院関連の記録日記。そんな闘ってません。

入院日記4

入院21日目。

昨日はうまく寝て3時までガーガー寝ていられたので上々ではあったのだけど、でも、それから「睡眠バス」にまったく乗れずに、けっこう朝までまんじりともできずにぼんやりしてた。

で、まあ、Twitterをみることになる。そして今日は金環日食の日。

どんなもんじゃろかいな?とこっそりと日が当たってるケータイ電話の通話室なんてのにいってみた。

なぜか、悪事を働くときに限って看護師にみつかるんだよな。普段はわりとほおっておかれるのに。

「なにやってるんですか?」と。

いちおう、今日から解禁ではありましたけど、おれは本来部屋を出てはいけないんですよね。

まあ、正直に日食みられないかなーって。

まだじゃないですか?って素っ気ない態度でなおかつ、「どうせだから」と、その場で血圧測定がはじまります。


で、TLみては背後の窓にもちらちらみえるようになった太陽をチェックしてたら、さきほどの看護師がやってきて、観測グラス借りてきたからみえますよって。

みさせてもらいましたよ。太陽が欠けてましたよ。ほー。

たぶん、ぜったいに、入院してなかったらこういう機会はなかったかと思うと、キャッキャいってみてる看護師らといっしょに日食みてるのって変なのとしみじみしちゃいました。ありがたい話です。

あとは、TLで知った、クオカードやテレフォンカードの穴をピンホールカメラの穴がわりにして観測できるのをやりながら朝食。


月曜というのは週のはじまりであるのは病院もいっしょで、医局長の総回診なるものがあるのよね。

エライお医者さんが全患者をサラサラと検診してまわるのです。

そのために前をはだけて待っているのは、なんていうか、大奥とか後宮で殿様に検分されているような気にはなるな。


月水金は患者用の服をかえる日で、おれはそのときにおしぼりをもらって身体を拭くというのが決まりになっているので今日の担当がきたときにお願いしてみたところ、なんと、今日から行動レベルがあがったのに伴って短い時間でのシャワーならOKということになったのでした。

ということで、久しぶりのシャワー。5月入ってから初。昨日髪の毛は洗ったんだけど、身体は洗ってないからね。


と、ちょっとおっかなびっくりではあるけど(なにせ心臓に爆弾は仕掛けられたままだし)、シャワーをしまして、さっぱりしました。


これは風呂が久しぶりってのもあったけど、長い間寝てばかりの生活ってのもあるわな。

今日のシャワーで足の角質がごっそりとれました。

ツルツルってほどじゃないけど、厚さ1ミリくらいの皮がごっそりとれた感じ。

そういわれてみれば指もきれいになったわ。

いかにおれは肉体労働で身体を酷使してたんだってことがわかる。


行動範囲もグググと広がる。

タテマエにはなってましたけど、今日から、部屋の前の廊下に関しては行き来が自由になった。

んまあ、昨日あたりからいってたし、今朝も日食みにいったりしてるけどな。

これでなにがよくなるって売店へのアクセスができたことです。

前にこっそり、ガキにコーヒーを買ってもらって飲んだときは動悸がしてちょっとヤベーかもと思ってましたが、またチャレンジできる。

そしてなによりいいのは看護師に水やらお茶やらくんでもらわなくて済む。

おれは1日に水分を800ml ってシバリがあり、それをやりくりしてるんだけど、それをある程度てめえの好みをまぜることができるってことだよな。これは大きい。


まあ、それよりもなによりも、寝付けない夜に、ふらふらと気晴らしに廊下を歩いたりできるってのもなかなか大きいんだよなあ。


新展開はまだあって今日から飲む薬が増えた。6月にある手術にむけての布石がいろいろと増えてきているってことだよなあ。


上のガキが本を持ってきてくれたりとか、平和に健やかに過ごせた1日だった。毎日今日みたい日をめざしたい。最初の不眠はイヤだけど。


読んだ本

「HEROごっこ」山下貴光(文芸社)


大学に入ったら親が離婚することがわかり、どうしようどうしようとついそこにいたイケメンに話しかけたが運の尽きで、あれよあれよと事件に巻き込まれてさあ大変という小説。

サラサラと読み終えることができましたし、異様に読後のカタルシスがあります。後半の謎解き編が冗長でとってつけたものと、オープニングの意味のなさも。あと、謎のイケメンの正体も解せないものがありましたかね。でも、些細なことよ。


「お慕い申し上げます」1巻 朔ユキ蔵(集英社)

奇才の新作は坊主モノでした。

跡取りの坊主の見合い話がもとマラソン選手。

かねてより好きだった坊主だけど、その話をことわることにする。仏教をきわめて結婚しないことに決めているから。

でも、なぜかそのマラソン選手が寺に弟子入りしてきた。ってかんじか。

たぶん、このつかず離れずのモンモンした生殺しの展開こそが朔先生の真骨頂なんだろうなあと思ったりするのです。

ただ、掲載誌が「ジャンプ改」ってことで。どういう雑誌かはあまりよくわかりませんが、フックとしてのエロが少ないので、冗長でグダグダに感じました。2巻以降もこのテンポなんだろうなあ。