闘病記

心筋梗塞になって入院してからの病院関連の記録日記。そんな闘ってません。

入院日記6

入院23日目。

昨晩の20時から耳栓入れっぱなしで2時くらいに一回起きたときもそのまま体勢も変えず目をとじて5時まで。画期的なほど眠ることができる。


というか、おれはもう心臓に異常がなかったら、心筋梗塞だけだったら「あがり」なんだよね。


今朝、めずらしく早めに担当医がきて、まあ、男臭かったから泊まりとかだったんだろうな、今いる6階なら自由歩いていいし、そろそろ外出許可もいいですよなんてことをいう。

なんかのワナかとも思うけど、それならってんで、今日は、ちょっと間が空いたら、あるいは、空いてなかったんだけど、空いたと判断して、6階をひとまわりして休憩所的なところをすべて制覇して、景色を堪能していた。


ま、あまり調子に乗るとヤバイんだろうけど、これが楽しい。おれは歩きたかったんだなとか。自分でも意識してないところで行動の制限にストレスがあったんだなとしみじみと思う。


朝方といえば、昨日、おれの腕を下見にきた新人看護師が採血しにきた。やはり試験的なものみたくて、おれの担当看護師みたいのがバインダーもって逐一、その男性看護師の動きになにかを書き込んでいた。

その変な緊張感の反動で笑いがこみ上げてきたけど、新米看護師はマジなんだしなあとガマンしていた。最後終わってから担当看護師と目を合わせたあとふたりして笑ってたけど。おれが笑をこらえてたことをわかってたみたいで。


昨日、病室にやってきたお気に入りの子がちらりと話していたとおり、今日はヤング看護師の勉強会みたくて、いっときベテランばかりになった。今日の昼の部の担当も珍しくおれより年上かもしれない看護師。


この看護師のあわてない具合ってのがものすごくてなあ。部屋の体温やら血圧やらも1発で4人分処理するイキオイだし、向かいのわがままジジイのいなしかたもすばらしい。

そして、「服を取り替えたい」というおれのリクエストはスルー。


だから、しょうがない、ほかの患者の点滴取り替えにきたときのヤング看護師にたのむ。10秒で持ってきてくれる。すばらしい。急ぐときはヤング看護師に限るね。


と、それでいて服を着替えて身体をおしぼりで拭いている最中にベテランが「リハビリだよー」とおれのセクシー着替えショーをのぞきにくる。


そいで、その看護師と歩く。

看護師の数とかきいたり。患者数より多いのね。

200m歩く。そしたらその看護師がハアハアいってやがる。


午後もそうだったな。それ以前におれは4倍くらい歩いたりしてる。どんどんいい天気になってきているなあ。


あちこちに美術品が飾ってあったりとか地面の色で縄張りがちがうことを発見したり。


んま、今、ここまで読み返すと、おれはけっこう健康でヒマを持て余しているってことがよくわかるね。

だからこその今度の外出許可だね。絶対に床屋にいって坊主にしてくるわ。あと、金関係のこと。入金したりとか1ヶ月できてなくてヤバイ。

そして、犬に会ってない。あいつはおれのこと忘れたかもしれないな。

もちろん店のこともみるだけみとかないとなあ。

ただ、そういう欲が増えていくのもどうかな?と思ったりもする。

手術受けたくなくなる。


夕食直前にガキとオヤジがくる。

ダイソーで買った耳栓、いつも寝るときに使ってる腰が痛くないヤーツなクッションとか持ってきてもらった。

今日はよく眠れるぞ。


読んだ本

「ブラジル蝶の謎」有栖川 有栖 (講談社文庫)


火村シリーズの3弾だそうです。はじめて読みますし、これは奥さんか上のガキのモノだったりします。これまたオススメの作品のようです。たしかもう1冊あったかな。

短編集で、社会犯罪心理の助教授をやっている火村とその相方で推理小説家をやっている有栖川のコンビが事件の謎を解き明かすという短編集。

これが短いだけあって推理小説の「キモ」がコンパクトにまとまっていますし、オチがみんな鮮やかですっきりとした読後感です。

品がいいものを読んだって気がしました。

上のガキらしい。あいつは小説にも潔癖なものを求めるんだな。